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陰陽
2010 / 11 / 25 ( Thu )
先日、TVでピーターさんの日常に密着取材する番組を見た。

「ピーターさんって、男とか女とかを超越していて、すごく自然体。
どういうスタンスで生きている人なんだろう」
と思っていたけれど、番組を見て、少し謎が解けた気がする。

「吉村流の舞踊の家に生まれて、3歳の時から女形を演じていたから、
女の格好をすることに罪悪感がなかった。男とか女とか、別になんだっていい。
単に、ピーターという生き物でいいじゃない? 
私は「自分が一番心地いい、楽しい姿」でいるだけ」なのだとか。

「なるほど、自分の中に葛藤がないから、いわゆるニューハーフの人たちと違って自然体なのか」
 と納得した。

自分の中に陰陽、男女を併せ持ってバランスが取れており、
自分の中ですべてが充足している状態というのは、なかなかステキだ。
歌舞伎の板東玉三郎さんなども、そういう生き方に近いように感じる。

そういえば、私も中学生の頃までは、
「なぜ、私は女として生きているのか。生きるには、男の方が得だったりしないのか」
とよく考えた。

でも、あまり長く悩むことなく、
「女であるのは変えられない事実。
ならば、「女」である方が都合のいい人生を歩きたかったんだろう。
この先は「女で得した。やはり、女に生まれてよかった」と思えるような生き方を選択していこう」
と決めた。

 お陰で、男だったら縛られたであろう「世間体、社会的地位、出世、家族、高収入、
プライド…など」に左右されず、自由にアウトローな生き方ができた。
本当に女に生まれてよかったと思う。

 その後しばらくしてからは、日々の生活や人生で迷った時には、
「どっちが後悔しないか」「どっちの生き方をしている自分が好きか」と選ぶようになった。
 お蔭で、年を経るごとにどんどん自分が好きになっていったのは、とても嬉しいことだ。

 ちなみに今年は、他人から見たら、相当吉凶混ぜこぜのハードな出来事が多かったのだけれど、
今の私を創るには、どれも不可欠な出来事だったし、私にはとても面白い体験だった。
そして、「去年の私」より、やはり「今の私」の方が私はだんぜん大好きだ。
 だから、やっぱり、今年の出来事はどれも体験できてよかったなあと、
過ぎ去ってみると思う(渦中にいた時はそんな余裕なかったけどね)。

 ま、人生なんて案外そんなもんかもね。
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視点の変化
2010 / 11 / 07 ( Sun )
目黒区にある「駒場公園」は、あまり世間には知られていないけれど、
等々力渓谷と並ぶ「都内のパワースポット」だ。
神社のような気に溢れているので、時々愛用している。
公園内には、旧前田邸の洋館がある。
先日は、洋館好きの妹と一緒にでかけた。

妹は、並々ならぬ洋館好きだけあって、注目する視点が私とは全く違った。
柱、天井、壁、照明器具、マントルピースの模様…etc。
妹に習って、じっくり洋館を観察してみると、同じように見える装飾も、
一部屋一部屋微妙な違いがあり、
「どれだけの職人さんたちのエネルギーがこの洋館につぎ込まれているのだろう」
と感心するばかり…。
いつも見慣れている建物が全く違って感じられ、とても面白かった。

全く違う楽しみ方ができる視点を持った人と、行き慣れた場所に行ってみるのは、
とても面白い体験なんだとあらためて大発見した。

話は少し転じるが、この間、20年くらい前のテレビドラマのDVDを見た。
当時、メチャクチャハマっていたので、さぞ感慨深く、
楽しく見られるんじゃないかと期待したのだけれど…。
20年前とは全く見る視点が変わってしまった自分にびっくりした!
 
視点が変わったことで、発見できたのは「当時、なぜあれだけハマっていたのか」
という理由。
ドラマに描かれているシュチュエーションなどは全く違うものの、
根底に流れているニュアンスのようなものが、
完全に自分の人生の「未来予想図」になっていた!!
 
そんなわけで、ドラマを見ていると、まるで自分が出演しているVTRを見ているようで、
こっ恥ずかしいのなんの…。
 気づくと、無意識に、
「あー!バカバカバカ!そんなところで、あんなことしちゃって…! 
 あー、ぶりっ子!
 やだやだ。やめてやめて! あー、あんなこと言ってるよ、
 ったく、見てらんないったら、ありゃしない。あー、もう、ばかっ!
 目も当てらんないよー!!」
などと、突っ込みを入れるものだから、疲れるのなんの…。
とてもじゃないけど、見てられなくて、途中で挫折…。
…いやあ、20年という月日を、嫌というほど痛感させられた…。

たぶん、これがさらに20年30年後になれば、
「ああ、こんな時代もあったわねー。懐かしいわー、若かったのねぇ」
なーんて気分で見られる視点も生まれるのだろう。
その時まで、このドラマは封印って感じかな…。

でも、お蔭で一つハッキリ発見した。
異様なくらいものすごーくハマってしまうドラマ、小説、シュチュエーションというのは、
過去世か、未来予想図か、何かしら自分自身と深い関係がある可能性が大だ…ということ。
関心のある人は、そういう点から「自分」を探るのも面白いかもね。

ところで、最近、湊かなえの小説にハマっている。
起こった出来事はたった一つなのに、関わった人々それぞれの視点からみると、
全く違った意味合いが発生する…という切り口がとても面白い。

「そっかー。人の心が読めないと、「一つの出来事」をそれぞれの人物が自分自身の
勝手気ままな視点で解釈することができる。
そのために、その人自身に都合のいい人生ドラマが出来上がるのかあ! 
こうやって人間は、自分の人生の主役を務めながらも、
お互いに他の人の人生の脇役を演じることができているってわけだ。
よくできてるなー。
だから、この世というのは、「人の心が読めない世界」である必然性があるんだ!」
と感心させられる。

さらに、彼女の小説を読んでいると、「自分が体験した真実」と思い込んでいるものは、
案外とても脆いものなのかもしれない、「私という独特の視点」がなければ
「私の物語」というものは生まれないのだろう、と思わされる。

いやあ、視点が変わると、本当にいろいろなものが見える。
視点って面白い!
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