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2011 / 03 / 24 ( Thu )
東京都の水道水から基準値以上の放射性ヨウ素が検出されてから、
あっという間にミネラルウォーターが店という店から姿を消した。
本当に必要としている乳幼児のいる家庭にミネラルウォーターが
届かないのでは…と心配だ。

でもまあ、かくいう私も、原発被害のニュースを聞いた当初から、
すでにこういう事態になるとは予想して、
「嫌だなあ、困ったなあ、気をつけないと大変なことになるぞー」
と思っていたし、汚染された水や食品を口にすることには抵抗だってある。
だから、ましてや今時の
「なにはともあれ徹底的に安全志向に走りたがる一般人」が怖がるのは無理もないと思う。

でもでも、医療知識を活用して客観的によくよく考えてみると、検出されているのが
放射性ヨウ素なら、大人にとってはそんなに危険ではない。

まず、甲状腺以外の他の細胞はあまりヨウ素を必要としない。
だから、吸収されたヨウ素はほとんど甲状腺に集まる。
しかも、何日かすれば排出されてしまう。
だから、甲状腺以外には影響が出にくい。
 
しかも、放射線は、分裂する細胞への影響が一番大きい。
分裂する時に放射線のせいでDNAが切れて、間違った細胞が作られたり、
細胞が作れなくなったりすることが、一番大きな害なのだ。
逆にいうと、細胞が分裂していない時には、影響は低くなる。
だから、甲状腺が成長し切ってしまって、ほとんど分裂しない大人には
影響が出にくい…というわけ。

まあ、万が一、ものすごーーーく長い時間被ばくして(今の量なら、
あり得ないけど)、ガンが出たとしても、
甲状腺ガンはとても性質がいいことが多いので治りやすいし、
たとえ転移したとしても10-20年生きる人もざらにいる。
だから、大人にはあまり心配はない。
(ついでに、私流に言わせてもらえば、そもそも「ガンになる理由(必要性)」がなきゃ、
そう簡単にはガンにはならないって!)

それでも心配なら、ヨウ素をいっぱい含んだ食品(海藻とか)を
つとめて食べるようにすればいい。
放射性ヨウ素の吸収を完全に防げるわけじゃないけど、かなり吸収率は落ちるはずだ。
要は、
「必要以上のビタミンB1を取っても、吸収されずにおしっこに流れちゃうよー」
という原理と同じ。

ちなみに、病院では放射性ヨウ素を使った検査をすることがあるんだけど、その時、
「検査の数日前からヨウ素を含んだ食品を食べないこと」という注意をしている。
体の方が普通のヨウ素で満たされているか、消化管を流れるヨウ素の絶対量が
普通の方が多ければ、放射性ヨウ素は体内に取り込まれにくい…というわけ(だから、
被曝した人にヨウ素を飲ませているわけだねー)。
 
 ただ、乳幼児は体全体がまさに発達成長途上にあり、
体中すべての細胞がどんどん分裂している。
しかも、生後5カ月までは食のすべてが「ミルク」だもんね。
(大人が飲む水の量なんて、一日の食事の中の何分の一にもならないだろうけど…)

だから、一番にミネラルウォーターを回してあげないといけないのは、
乳幼児と授乳中のお母さんだろう。
授乳中のおかあさんは、牛のお乳からヨウ素が出たのと同じ原理で、
食べ物飲み物から大量に摂取すると、本人に影響はなくても、
分泌物である母乳には濃くなって出てくる可能性があるからねー。
むしろ、妊婦さん以上に問題があるかも…(胎児は、ある程度不要なものは胎盤でろ
過されるだろうから…)。

ともかく、優先順位を考えて、本当に必要な所にお水は回してあげたいもんだ。

綾小路きみまろ流にいえば、
「ちょっとそこの中高年の皆さーん。残念でしたー!
どーんなに若作りしたって、水道水に影響されるほどに、あなたの体は若くないのよん。
だから、安心して大丈夫!買い占めたミネラルウォーターは、
隣りの家の本当に若いぴちぴちのベイビーにわけてあげましょうねー」
って感じ?

でも、年配の方々の感心するような言葉も聞く。
「私達は先行きそんなに長いわけじゃない。
だから、少々放射線を浴びたって、影響が出る頃には寿命が尽きるに違いない。
前途ある若い人たちを特攻隊のようにがんばらせるのではなく、志
ある元現役の年寄りが危険な作業に携わってもいいんじゃないか」

かっこいいなーと思った。
私も年をとるなら、こんなスマートなことが言える年寄りになりたい。
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学ぶこと、考えること
2011 / 03 / 21 ( Mon )
今回の地震は被災範囲とその後の影響が大きいせいか、
「お互いに助け合おう、譲り合おう」という気持ちが、
阪神大震災の時よりずっと大きいような気がする。
 
被災地で、小さな子供を抱えて寒さと食糧難に見舞われる中、
「私は十分に足りています。足りない人たちに分けてあげてください」
と話す若いお母さんの姿には感動した。

一方で、「買占めはやめて下さい!」と報道されればされるほど、
危機感を煽られて、必要ないものをどんどん買い占めてくるヤカラが
…実は、我が家にもいる…(苦笑)。

ちょっと前の「バター不足騒ぎ」の時も、「5コもゲットできた!」
と勝ち誇ったように、ニコニコして帰ってきたものだから、

 「我が家はバター1コ消費するのに3カ月くらいかかるの!
  今あるバターが無くなるまでには、絶対に混乱は収まるはず。
  だから、うちは買わなくても困らないの!!
  なのに、こんなに買ったら、消費できずに賞味期限が切れるでしょう! 
  バターがなくて困っているお家に分けてきなさいっ!」

と、さんざん怒りまくった。
それでも、賞味期限が近付いて冷凍せざるを得ず、使い切るのに大変だったのだ。

なので、今回も、
「バターの時に、「買占めは無駄になる」って経験したのに、どうして学ばないのっ! 
戦後の食糧難を経験しているのに、助け合い精神がないなんて、信じらんないっ!」
と怒ったら、
「戦後の食糧難を体験しているから、生きる残るために必死なんじゃないかっ!」
と返ってきた…。

なるほど、「自分さえ助かれば…自分が安全ならそれでいい」
という価値観がDNAレベルにあり、
「弱肉強食。下剋上。強いものが得をする」という体験が染みついている人は、
どんな経験をしようと、考えは変わらないんだ…と、さらに今回、深く納得した。

「変わらない人は、何があっても変わらない」
とわかっていたはずなのに、それでもまだどこかで、
「変わってもらいたい」
との想いが私の中に根強く残っていた…とも再確認。

変えられないものは変えられない。ならば、
「せめて、「買占めする人」がうちの家族でよかった。
早いうちにストップがかけられるし、十分過ぎるものは「どうぞ」と譲れるから…」
で十分かもしれない。

そして、
「ああ、こんな風に助け合えるってステキだね。
日本って、世界の中では、とても相互扶助が徹底した国だったんだね。
もっともっとこの素晴らしさを膨らませたいね」
と、今すでに実現されている「素晴らしさ」を認め、
さらに膨らませていくことの方が、ずっとずっとステキな未来につながるだろう。

明かりの灯らぬ暗い部屋で月を眺めながら、こんなことを思った。
「ああ、昔の人たちは皆、こういう暗さの中にいたから、
こんなにも月明かりを愛しく感じて眺めたんだろうな。
昔は、石油も電気も洗濯機も水洗トイレもインスタント食品もレトルト食品もない中、
ずっと暮らしてきたんだよね。
そういえば、子供の頃は「ぽっとんトイレ」だったから、
友達が肥だめに落ちて大騒ぎになったっけ…。
昔読んだ「小学3年生」って雑誌には、「無人島でサバイバルする方法」という特集があって、
「泥水から飲み水を作る方法」「石からナイフを作る方法」などが書いてあった…。
立派な学識より、そういう知識を持っている人の方が、非常時には強いかもねぇ…」

数日後に、被災地の人がやはり、
「避難所の暗闇の中、オリオン座がとても美しく見えた。
星がこんなにきれいだったなんて、街の明かりが無くなって初めて気がついた」
と語るのを聞いて、
「ああ、どん底でも、ささやかなことに光を見出す人はたくさんいるんだ。
震災がきっかけでいい方向に変わるものは、どんどん変わっていくに違いない」
と思った。
 
ちなみに…これだけ買占めが横行しているなら、
どこの家にもいろいろな食料があるはずだから、なにかあっても譲り合いの心さえあれば、
少々のことなら困らないと思うよ。
逆に、もっとすごいことが起こったら、買ったものは全部無駄になるんだし…ね。

16 : 41 : 54 | ひとりごと | page top↑
地震
2011 / 03 / 15 ( Tue )
ご心配をいただいた皆さん、ありがとうございます。
当方、被害はありません。
ただ、輪番停電の実施予定によっては電話が通じなくなることがございます。
なにとぞご了承、ご協力くださいませ。

********************
今回の地震では、本当にいろいろなことを考えさせられた。

揺れている最中、
「ああ、とうとう大震災がきた。まあ、死ぬ時は死ぬんだから、仕方ないとして…。
幸運にも落ち着いたらどう動くか」
と考えて、「自分にとって何が一番大切か」を再確認したことから始まり…。

「食事をして、布団で眠れるって、どんなに幸せなことか」
「誰かに看取られて、葬儀をあげて、お墓にお骨が納められるって恵まれているんだ」とか、
普段「普通」と思っていることを、さらに実感を持って「幸せなことだ」と再確認できたり…。

ぎちぎちに詰まっている本棚より、整然と余裕を持って並べられている本棚や、
軽いものの方が落ちやすく壊れやすいんだなあ…と知ったり…。
一戸建てに比べて、高層建築は相当揺れるんだなあ…と納得したり。

津波が来ているのに携帯で映像を撮っていて巻き込まれたり、
物資が不足しているのに普段と同じように生活しようとしたり…と、
かなり危機に陥っても、日常のパターンをキープしようとする人や、
状況や立場を理解できない人って多いんだなあ…と、
あらためて認識させられたり…。

「大切なものは、人より財産」って考えの人も多いし、
「こんな状況下でも自分の利益だけを考えたり、
不幸を面白い映画のように見ている人もいる」と、
あらためて実感する事実を目の当たりにしたり、
「家族なのに、丸2日連絡がつかなくても、あまり心配しない人もいる」
という実例を見聞きしたりすると、
「大切な人を心に描いて、心配をしたりされたりできる人生…というだけでも、
すごく幸せなんだなあ…」
と思ったり…。

政治家や会社のお偉いさんたちは、こんな非常事態でもおバカで無駄な会議をやって、
どうでもいい資料を揃えたり、体裁を整えることなどにこだわって、
本質を見失ってるんだなあ…とか。

テレビの野次馬根性の報道はやめて、情報を一か所にまとめ、放送も1-2局に絞り、
あまった野次馬根性エネルギーで被災地に物資を運搬したり、
救助活動したりすればいいのに…とか。

思うことは切りがないけれど…。
ともかく、「もののけ姫」の映画じゃないが、起こってしまったことは取り返しがつかない。
でも、せめてせめて、失った命を胸に刻んで、
これから新たに立て直す世界がいい形になるように考えたい。

崩壊した日本を救うことで、世界が平和に向かって一つになる…とか。
大変な立場が身を持ってわかるようになり、相互扶助の心がいきわたる…とか。
原子力エネルギーを手放して、太陽光発電が中心になる…とか。
不眠不休不夜城のような商業施設が、田舎や昔のように日中中心の営業になる…とか。
食品の無駄な廃棄がなくなる…とか。

この地震は、社会全体が人にも地球にも優しいエコな生き方に変わっていく
チャンスになるだろうし、新しい時代への変化を加速させる気がする。
…というか、そうすることが、生き延びている人の役割かな…とも思う。


…余談…

友人曰く、
「今度の地震は、「愛の真価」が問われたような気がする!
 誰が本当の愛を持っていて、誰がうわべだけの関係で、
誰が何を大切にしてるのかがよーくわかった!
 ○ちゃんは、この地震でとうとうダンナに見切りをつけて、
離婚することにしたって!」

愛の真価…ね。
地震を機会に変わっていく人間関係って、いっぱいあるんだろうなあ…。
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