固定観念
2014 / 07 / 31 ( Thu ) 我が家の柴犬ゆめちゃんは、動くものが大大大好き。
特に、ボール遊びは超お気に入り。 なので、先日、百円ショップでビーチボールを見つけた時には、 「ゆめちゃん、こんな大きなボールは見たことがないから、どんな反応するかしら? ボール好きだから、すっごく楽しんで遊んでくれるかも…。 花柄のかわいいデザインもあれば、くまモンのビーチボールもあるなんて、 今時の百均はすごいわね」 と妄想が膨らみ、うきうきしながら早速購入した。 期待に違わず、ゆめちゃん、ビーチボールを膨らませている間から、大興奮!! 「それ、私に買ってきてくれたんでしょ! 早く早く! ケチケチしないで、早くよこしなさいよー!!!」 とお目目をキラキラさせながら、ぎゃんぎゃん鳴いて、飛びついての大騒ぎ。 「おお! なんて張り合いのある反応♪」 と喜びながら、膨らませ、放り投げてあげたら、 実に見事に、鼻先でトスを返してくれるではないのっ♪ 「ヤッター!! ゆめちゃんと一緒にビーチバレーをしちゃったー。 た、楽しいかもー♪ 学生時代、体育や球技は大嫌いだったけど、こういう軽いノリで遊べるなら、 バレーボールやドッチボールも好きになれるかもー♪ この年にして、初めて球技の楽しさに目覚めたかもっ♪♪」 …と楽しんでいたのもつかの間…。 一瞬、私がボールを拾い損ねた瞬間、それこそ「あっ!!」という間もなく、 ゆめちゃんはビーチボールに飛びかかり、馬乗りになって ビーチボールに食らいついてしまった! その姿はまるで、大怪獣に挑みかかるウルトラマンさながら…。 「ぎゃーーーあああっ!! ゆめちゃんっ!! やめてやめてやめてーーー!! かじったら、穴があいちゃうっっ! ポーンて弾ませて遊べなくなっちゃうじゃないっ!!」 という私の叫び声は、もはや彼女の耳には、ウルトラマンを応援する人々の声援にしか 聞こえなかったらしい…。 ぶしゅううううう…。 鈍い音と共に、憐れ怪獣ビーチボールは、正義の味方「ゆめなマン」によって、 数分で倒され、バラバラになって、海ならぬ、ゴミ箱の藻屑となって消え去ったのだった …(ああ、またしても、おもちゃはご臨終…)。 しかも、研究熱心なゆめちゃん先生、 「ふむふむ、さっき、純子姉がしゃぶっていた空気入れ口は、 こういう構造になっているのね。 それ以外は、こういう細長い楕円のビニールをつなぎ合わせてあるんだー」 とでも言わんばかりに、超細かくバラバラに破壊! バラバラ部品を片づけつつ、こっちも 「へぇぇ…なるほど、工場では、こういう部品を別々に作って、組み立てているのかー」 と妙に感心しつつも、 「せっかく、楽しくビーチバレーができていたのに、 どうして、いつもいつも破壊しちゃうかなー…。 どうして、普通に、楽しく遊んでくれないんだろう…はあ…」 と大きな大きなため息をついたところで、ハッと気がついた。 「ビーチボールは、「ボール」で、「弾ませて遊ぶもの」っていうのは、「固定観念」かも…。 「怪獣ビーチボールとゆめなマン」という遊びがあってもいいし、 お医者さんごっこの延長で、「怪獣ビーチボールの解剖と研究」 という遊びがあってもいいのかも…」 …とは思ったものの、ゆめちゃんの分解癖は、とどまるところを知らない。 「さすがに、金属のラジコンカーなら、ゆめちゃんでも破壊できないよね」 と思ったら、甘い甘い…。 「ふむふむ・・・。車という構造体は、バンパーやタイヤの部分が一番弱いのね」 と、弱点を見つけては、攻めて攻めて攻めまくる。 「丈夫でも 壊してみせよう ほととぎす」なのだ…。 どこかの電化製品の社長さんだったかが、テレビのインタビューで、 「子供の頃、テレビ、ラジオ、ビデオなど、ありとあらゆるものを分解した。 でも、親は黙って私がやりたいようにさせてくれた。 お蔭で、わが社の製品を開発することができた」 と言っていたけれど…。 この社長さんの親のように、子供のやりたいように破壊させておけるには、 相当な忍耐が必要だ。 柔軟な子育てができるってすごい! なかなかまねはできないと、つくづく思う。 そして、ゆめちゃんの破壊遊びはまだまだ続き、 私はまだまだ当面、球技好きにはなれそうもない…。 でもまあ、ゆめちゃんが壊すのは、高いテレビやビデオじゃなく、百均のおもちゃ。 ならば、「私の中に、固定観念にとらわれない柔軟な心を育ててくれているんだわ。 そのための勉強料と考えれば、安いもんだわ」 とでも、考えることにしよう! あー、でも、くまモンのビーチボールを買わなくてよかった!! くまモンが倒されて、ズタズタになっちゃったら、かわいそう過ぎるもんね。 |
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