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ドラマ
2006 / 11 / 17 ( Fri )
 最近、テレビドラマをあまり見なくなったのだが、先日、たまたま「14才の母」の前半総集編を見た。
 母親役の田中美佐子の演技がとてもよく、セリフも暖かくてジンとくるものがあった。
 なかでも、中学2年生で妊娠してしまった主人公の
「命の尊さとか、難しいことはよくわからない。でも、妊娠がわかったとき、両親がこんな私なのに、本当に大切に思ってくれた。母は『生まれたばかりのあなたを見たとき、「私はこの子に会うために生まれてきた」と思った』と言ってくれた。私もお腹の子に会うために生まれてきたのかもしれない。だから、この子に会いたいと思ったの」
というセリフが印象的だった。

 起った出来事の結果だけを見て、子供の言い分を十分に聞かずに、頭ごなしに怒鳴りつけて、大人の信じる「正しい道」を強要する親や教育者が多い中、果たしてどのくらいの親があのドラマのような暖かい対応が出来るだろうか。果たして、どのくらいの子供が世の中の正論にめげずに、「自分の道」を歩く決意ができるだろうか。

 「こんなにしっかりした親と子供ばかりだったら、ひまわりクリニックは廃業だなあ。こういう親子って、なかなかいないよね」
 とつぶやきながらも、ふと、脳裏をよぎったのは20年近く前の出来事だった。

 産婦人科で研修をしていたとき、高校3年生の少女が救急車で担ぎこまれてきて、出産したことがあった。大人たちが騒然とした中、少女は迷いなく分娩に臨み、無事出産した直後には、
 「皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした。お世話になり、本当にありがとうございました」
 と挨拶までしたのだ。なんでも、
「中絶するつもりは全くなかった。でも、私が通っているのはカトリック系のお嬢様学校だから、妊娠がばれたら退学になってしまう。彼が中卒で苦労しているのを見ていたから、私は高校を卒業したいと思った。幸いなことに、医学書を調べたら、産まれるのは卒業の頃。『太った』といってごまかせば、何とかなるかもしれない」
 と思って、親にも学校にもひた隠しに隠してきたのだそうだ。そのため、体育も休まず、10キロのマラソンにも出たそうだ。出産当日は、追試を受けていたのだとか。
 「陣痛がきていたのはわかっていたけど、追試を受けないと、卒業できないから、必死で痛みをこらえた。試験が終わったとたん、我慢できなくて、救急車を呼んでもらった」
のだそう。

 ドラマを見ていて、
「あの時の少女は、この主人公以上に大変な思いを抱えて、生きていたんだろうなあ」
 とあらためて、あの少女に思いを馳せた。あの少女と産まれた子供は今ごろどうしているだろう。子供は高校生くらいになっているはずだ。
 今になってもう一度、あの時の少女に大きな拍手を贈りたい気持ちになった。
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